宅建士が教える空き家バンクの「安さ」に隠された5つの罠。失敗しない物件選びの裏技
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憧れの古民家暮らし、その「入り口」で間違えていませんか?
地方移住や古民家暮らしを考えたとき、一番最初に思い浮かぶのが「空き家バンク」です。多くの自治体が空き家バンクを運営していますが、0円や100万円など、驚くほど安い物件が並びます。
ここだけの話、空き家バンクは「不動産屋が手を出さない(出せない)」物件の宝庫です。
宅建士の知識と移住の現場経験者としての視点から、サイト上の写真だけでは絶対に見抜けない「リスク」を全公開します。
【罠1】「再建築不可」という致命的な欠陥
格安物件は、今の法律(建築基準法)の基準を満たしていない「既存不適格」や「再建築不可」の物件のことが多いです。
そういった物件は、一度壊すと二度と建てられない(または建物が小さくなる)、あるいは住宅ローンの審査が一切通らない可能性があります。
リスク1. 「再建築不可」物件は資産価値が激減する
建築基準法では、「建築物の敷地は、道路(原則として幅員4m以上)に2m以上接していなければならない(接道義務)」というルールがあります。
空き家バンクにある古い物件は、このルールができる前に建てられたものが多く、接道義務を果たしていない(=再建築不可)ケースが多々あります。どういう事かと言うと、今建っている家を壊して新しく建て直すことができません。火災や地震で家を失っても、そこには「家」が建てられず、ただの「使い道のない土地」になってしまいます。
リスク2. 住宅ローンが「1円も借りられない」
銀行は、その物件の「担保価値」を見て融資を判断します。
接道義務を果たしていない物件は、法律違反の状態(既存不適格)であるため、銀行は「価値がない」と判断します。
その結果、購入費用はもちろん、高額になりがちなリノベーション費用のローンも組めません。将来自分が売りたくなった時も、現金一括で購入できる人しか相手にできなくなるため、買い手を見つけるのが極めて困難になります。
リスク3. 消防車や救急車が入れない恐れがある
接道義務は、単なる役所のルールではなく「安全」のための決まりです。
道路に接していなかったり、接している幅が2m未満(車1台分以下)ということは、緊急車両が家のすぐそばまで近づけないことを意味します。
そのため、万が一の火災の際に消火活動が遅れたり、救急搬送に時間がかかったりする実害があります。これは、その土地で長く安心して暮らすための「インフラ」が欠落しているのと同じです。
接道義務について知りたい場合は、空き家バンクの担当者(役場の職員さんなど)にこう質問してみてください。
「この物件は、建築基準法上の道路に2m以上接していますか? もし今壊したら、同じ規模の家が再建築可能ですか?」
この質問に即答できない、あるいは「うーん、確認が必要ですね」と言われる物件は要注意です。
また、地方では「見た目は道路だけど、実は個人の庭(私道)だった」「公道だけど幅が足りない(セットバックが必要)」というパターンも非常に多いです。
【罠2】「残置物」は宝の山ではなく、ゴミの山
空き家には、前住人の家具などがそのまま残されていることがよくあります。タンス、布団、食器……これらを処分するだけで、数十万円の費用と膨大な時間がかかってしまいます。私が購入した空き家にもかなりの量の残置物があり、処分に30万円かかりました。
「現状渡し」という言葉の裏には、この処分費を買い主に押し付ける意図があるケースも。自治体によっては、空き家バンクの物件を購入すると残置物処分のための補助金を用意しているので、物件を見に行く前に確認してみてください。
田舎では地元の業者が1社しかないなど、処分費用も高くなる傾向にあります。
まずは一括見積サービスで不用品処理の相場感を確認してみることをお勧めします。
こちらのサイトで試してみてね → ぽいみつ
【罠3】「契約不適合責任(瑕疵担保責任)」が免除されている
簡単に言うと、不具合があっても保証しませんという契約です。
通常の不動産売買と違い、空き家の売買は個人間取引が多いため「雨漏りしても、柱が腐っていても、文句は言えません」という条件を付けることが一般的です。
売主が不具合を知っていたにも拘らず隠して売った場合には、売主は不具合の責任を問われることがあります。契約書に不具合を正直に記載する必要があります。
こちらの記事もどうぞ → 空き家見学時に必ずチェックすべき「床の沈み」や「天井のシミ」の見極め方
【罠4】見えない「地域ルール」
のんびりした田舎暮らしに憧れて移住をしたのに、こんなはずじゃなかった…というケースはたくさんあります。
私が以前住んでいた所でも、煩わしい人間関係に疲れて移住してきた人が、2年ももたずに都会に戻ってしまったケースがありました。
田舎暮らしってのんびりできるというイメージだけが先行してしまい、実際の生活になじめず再度移住を余儀なくされることも多々あります。
田舎は都会よりも高齢化していることが多く、人も少ないので一人一人の地域に貢献する力が必要になることが都会よりも多いです。家は買えても、地域の草刈り、祭り、水路の掃除……これらに参加しないと生活できない暗黙の了解がある場所も。
私も行事の際のお弁当作りや町民体育大会の参加など(地区対抗なので、人が少ない地区は何種目も出ないといけない💦)、気が進まなくてもできるだけ出るようにしています。
地域の人と仲良くなっておくと何かあったときに助けてもらえるし、近所の人との関係がギスギスしているよりも雰囲気の良い所に住んだ方が自分が幸せじゃないですか。噂話には極力入らないようにはしていますが…。
【罠5】水道を通すのに〇〇万円!?
これは実際にビックリした話なのですが、地域によっては町の水道が通っていないところもあります。私が最初に購入した空き家もその一つで、町から離れている地区だったため町水道が無く、地域で運営している湧き水を各家庭に引いていました。
その加入料が、いくらだと思いますか?
なんと15万円!しかも水は止まっていなくて普通に使える状態でした。残置物の片付けの際にはそのまま水道を使わせてもらっていましたが、まだお金は払っていません。
その空き家は登記がかなり複雑で、購入から2年たった今でもまだ私の名義になっていないし、住んでもいないからいいよね…という気持ちもあります💦
もう一つは、下水道が無く浄化槽が必要なケースです。これも田舎の方にはよくあります。
浄化槽は100万円以上かかることもあるので、家自体が安くても大きなコストになるので慎重に検討しましょう。そういった地域では、汲み取り業者のサービスを利用している家もまだたくさんあります。
失敗しないための「空き家バンク活用3ステップ」
空き家バンクの物件を見に行くときは、次の3ステップを参考にしてみてください。
ステップ1:物件見学は「雨の日」に行く
晴れの日には見えない雨漏りや、水がたまる場所がないか等周囲の水の流れを確認するためです。
ステップ2:ネット回線の提供エリアか確認する
「安くて最高!」と思っても、光回線が引けずテレワークができない……という失敗が多発しています。
私の今住んでいる地区は光回線は引けますが、光TVのサービス対象外です。テレビを見たければ地域のサービス会社に加入してアンテナを取り付ける必要があります。しかも最初に10万円くらいかかると言われました!うちはテレビを見ないのでいいんですけどね…。
(営利執筆中!) [移住者必見] 工事不要で即開通!地方移住で選ぶべきネット回線3選
ステップ3:リフォームの概算を先に出す
物件価格が安くても、修繕に500万かかれば意味がありません。
まずはどのくらいの修繕費がかかるのか、数社に一括で見積もりを出してもらうのが良いですね。
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7. まとめ:空き家をつなぐには「覚悟」と「知識」が必要
空き家バンクは素晴らしい制度ですが、知識ゼロで飛び込むのは危険です。
このブログでは、宅建士の視点から「安全な空き家選び」をこれからも発信し続けます。不安な方は、まず「売却査定」の記事を読んで、不動産取引の基本を知ることから始めてください。

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